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いなかの猫の天邪鬼部屋

第7話

第7話 王座

危うい王座について長年葛藤を続けるチェ会長とチェ・ドウ、王座を間に置いた父子の間の葛藤の原因は何なのか。
そして頭角を現し始める女王...


01.金さえ稼げれば血筋は関係ない?チェ会長父情喪失時代

ドリームチームなりの徹底して計算されたブローカー設定(?)に騙されたチェ会長は、どうすれば彼らから数百数千億が行き来する'ジュハイ建設契約'をもぎ取る事が出来るかと血眼になる。
だが、あらゆる非理や賄賂等で取引の先手を打つ方式で小銭商売をしてチェドン建設を大企業に成長させたチェ会長級の人物が騙されたのだから水底作業が粗末でなかったのだろうが、そんな貧弱な部分を整えてやる事がチェ会長の落ち着いた息子ドウではないだろうかと思う。チェ会長がレンガを売ってチェドンを大企業として開墾した全盛時代こそ分からないが、政治界に進出しようと脇見をして数百億ウォンの莫大なチェドンの資金を巻き上げられた(?)チェ会長より、チェ会長が出した欠損を埋めようと忙しかったドウが現チェドンを堅固に支えている実質的な主人に適していると思われる。
そんなドウは父であるチェ会長に息子として'ジュハイ建設計画'が疑わしいという事を警告するが、金の前で父情すら喪失したチェ会長にとってドウは、ただ自身の地位を脅かす危険分子というだけの息子でしかなかった。事実、チェ会長のドウをこの上なく嫌い警戒する表面的な理由は、ドウが幼い頃、病弱な母に致死量の薬物を投与して死に追い込んだのを目撃したという事だったが、それは単純に事業手腕が良く会社の立場でケチをつけるところがないドウを唯一'精神病者'として追い込む事が出来る名分になるためだ。
事実、チェ会長が父情を喪失したとしても、本当にチェドンの主人という器だったら、実質的にチェドンの収益をこつこつと上げたドウの成果を認めて中立の立場で'ジュハイ建設計画の不審な部分'を積極的に検討したのではないだろうか。ドウが良い意図でも悪い意図でも、10年間、会社に献身して利得を得ていた戦績を排除したまま'敵'だという偏見で、理由は何であれ'チェドンに有益な人物ドウの警告を横目で見て踏み込まなかったという事だ。
だが、ドウの成果を飛び越える事が出来る'ジュハイ'というものに競争心を刺激されて判断力を失ったチェ会長は、有益なドウの手を振り払い、有害な存在であるドリームチームに渡ってしまった。
ドウにおいて、チェドンというのは彼の夢を成すための大きな資金源として、簡単に捨てる事が出来るものではない。また、彼は会長の地位を占有しなくても充分に既得権を行使する事が出来る立場であるから、それほど急いでチェドンの会長の地位を狙う理由がない。
結局は権力に目が眩んだチェ会長が墓穴を掘った格好になったのだが、ドウがチェ会長を隔離しようと血眼になったのは、出世欲よりもっと鋭く大事なものが刺激されていたためだ。
それはまさに、チェ・ウンス、彼の妹だ。
'ジュハイ計画'ブローカーに変装したドリームチームに、あたかも娘を捧げるようなやり方でウンスを置いて行ったチェ会長を、ジェミョンは、自分が似たような経験(幼いジェミョンを他地に送った父)をした立場で、ウンスが哀れだと思う気持ちで'怖い父親'だと表現する。
つまり、チェ会長にとって、ドウは出世欲を満たすために邪魔になる'敵'ならば娘ウンスは私利私欲を満たすための'道具'に転落していた。
それを好ましく思っていなかったドウは、そんな父の下で順応して生きているウンスを守り通す日常を反復する。自身の'夢'のために計画を組み、一つずつ実行するのにも忙しいドウが24時間ずっとウンスを守り通せるわけがない。その上、娘まで売る父がいつどんなやり方でウンスを利用するか、警戒を緩める事が出来ないのだ。チェ会長の魔の手からウンスを引き離す事だけが、'ウンスを守り通す事が出来る完璧な城壁'を築く事までが、ドウが出来る全部だ。そのためドウは、続けてチェ会長を療養させようと注力したのだ。
それでなくてもウンスがチェ会長の私利私欲を満たす道具として利用される事に穏やかでない心機をさらけ出していたドウだが、そんなドウをまともに刺激する事件が、まさにチェ会長がウンスを一介の詐欺集団ドリームチームに捧げた事だ。

02.金は金として、女は女として、ドウの対応

その間、ドウはドリームチームの詐欺行脚を全面的に受けて対応するより、腹心のケイにやらせて状況を見守りながら警戒する程度の消極的な態度を一貫させた。
見ろと言うように騙されている父チェ会長に警告しながら、ドウはまだこれといった対策を用意するよりも友達を利用して他の場所に投資誘致を誘導し遂げる方式で、自分なりの事業手腕を維持し遂げ行くが、チェ会長がドリームチームの詐欺劇にウンス巻き込んだ時点から、刺激を受けるようになる。
ドウはウンスがドリームチームのアジト'ミューズ'にまで足を入れ、シンに会うなど、安易に詐欺集団に乗せられるのを目撃し、怒りを鎮められず、直撃的な対応策を用意する。
ドリームチームがウンスを人質に(ドウの立場で)乗り出してようやく、ドウも同じようにドリームチームの詐欺劇を打破するが、シンの元彼女ギョンアを巻き込む方法を模索する。
ギョンアの言葉を借りれば'こんな時間にこんな場所に呼び出す人ではない'ドウがギョンアを招待して粋にピアノを弾き、ココアを入れてやり、以前と違う好意的な姿でギョンアを利用しようという黒い手の内が見える。
自身の遠大な夢'自分の国の自分の王妃'の地位に似合う女性という言葉でギョンアの女心を固めるスキルまで助力にする。
その間ドウの'遠大な夢'が何なのか詳細に言及して出て来なかったが、この回のドウの'王妃発言'を通して、ドウがより大きく野心に満ちた野望を持っている事を推し量る事が出来る。
その夢が何かの間のドウの人生全体を満たす遠大な夢に、それも'王妃の地位'を出してまでギョンアの心を揺さぶるのは、ギョンアがドウの計画にそれなりの使い道がある役割をするカードとしてマークしていたためだ。
つまり、食えないドリームチームと株式戦争が勃発し、ドウはドリームチームに最も大きな打撃を与える株式転換社債の件をギョンアに一任するようにだ。

03.飛ぶ勢いのドリームチームの活躍は結局ドウの手先に

勘が落ちたチェ会長がドウの警告を無視したままドリームチームのブローカー詐欺劇に乗せられ、ドリームチームの作戦は順風に帆を掛けるようにひたすら順調だった。
チェ会長から無理なく出鱈目の通帳に50億を移し、全てが計画どおりに着々と成されて行き、ドリームチームの形勢は、もう勝敗を終えたような祝祭の雰囲気に覆われる。ムンホは50億をどうやって公平に分配するか思案し、シンは陳列された指輪に目を向けてギョンアを再び連れ戻せるという希望を膨らませている。
だが、千里眼ギョンテだけが'チェドンがジュハイ契約を締結した'というニュースが勃発しても、前に自分たち以外にチェドンの株式を買い集める巨大な動きを読み出しており、いてもたってもいられない不安感を振り切れない。
万一ギョンテがドウという存在を認識していたら、ドウが背後で水底作業をしている事を充分に計算し遂げていただろうが、この時までチェドン=チェ会長以外に知らされていない状態のため、ギョンテがいくら第三者の存在を感知しても、それが誰なのかは明らかに出来ないわけだ。
チェ会長がドウの警告を無視してドリームチームに騙されて行ったように、ギョンテの警告にもかかわらず自祝の雰囲気に覆われたドリームチームが、食えないドウの対応策に苦い苦杯を呑む事は、まだ誰も予想出来なかった。


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